「釜山のひとりご飯は難しいらしいよ」——韓国旅行の情報を調べていると、こんな話をよく目にします。せっかく行きたいお店があるのに、「一人だと入れないかも」「断られたら気まずい」と不安になってしまいますよね。
でも、それって本当なのでしょうか? 結論からお伝えします。釜山のひとりご飯は、メニューさえ選べば全然難しくありません。 むしろ釜山には、おひとりさま大歓迎のグルメがたくさんあります。難しいのはほんの一部だけ。この記事では、「難しいって本当?」という声によくある疑問に答えながら、一人で楽しめる料理とそうでない料理をはっきり分けて解説していきます。
というのも、実は私自身が”ひとりご飯の達人”なんです。釜山には5年間住んでいたのですが、その間ずっとひとり暮らし。当然、食事もほとんどがひとりご飯でした。日本に帰任してからも、釜山にはちょくちょく通っていますが、これもいつもひとり旅。つまり、釜山のひとりご飯を数えきれないほど経験してきました。だからこそ自信を持って言えます。心配いりません、大丈夫です。
「難しい」と言われる正体は”みんなでつつく料理”
「釜山(韓国)のひとりご飯は難しい」というイメージの正体は、実は複数人で食べることが前提の料理にあります。具体的にはこの3つ。
- 焼肉(サムギョプサル・カルビなど)……「2人前から」「3人前から」と言われることがあります。一人だと入りにくいお店が多いジャンルです。
- 刺身(フェ)……2〜3人前で提供されることが多く、一人で食べきるのは正直きびしい量です。
- 鍋・蒸し系……ヘムルタン(해물탕=海鮮鍋)などの鍋ものは、量が多く一人前を用意していないお店があります。
もう少し具体的に、私のこれまでの経験から「2人以上で行くのがおすすめ」のメニューを挙げると、こんな感じです。
- サムギョプサル(삼겹살)……豚バラ焼肉。2人前からのお店が多い韓国焼肉の定番。
- ヘムルタン(해물탕)……海鮮がたっぷり入った鍋。ボリュームがあり、みんなでつつくのが醍醐味。
- プデチゲ(부대찌개=部隊鍋)……みんなでつつく鍋料理。
- チムタク(찜닭)……鶏と野菜の甘辛煮込み。ボリュームたっぷりでシェア向き。
- チャガルチ市場の海鮮(刺身・活魚)……新鮮なお刺身や活魚は、2〜3人前で出てくることが多く、何人かで分け合うのが醍醐味。
つまり「難しい」と言われるのは、このあたりの”シェア前提”の料理の話。これを韓国グルメ全体の話だと思ってしまうと、必要以上に不安になってしまうんですね。こうしたお店は、友達や家族との旅のときの楽しみにとっておきましょう。
釜山はむしろ「ひとりご飯天国」だった
一方で、釜山には”一人一皿”で完結する料理がたくさんあります。しかもそれが、釜山を代表する名物ばかり。こういうお店は一人客に慣れていて、むしろお昼どきは一人で来ている地元の人だらけです。

テジクッパ돼지국밥
釜山名物の豚肉スープごはん。一人でサッと一杯が当たり前の、来たら絶対の名物。

ミルミョン밀면
釜山発祥の小麦の冷麺。さっぱりしていて、一人ランチにぴったり。

カルグクス칼국수
韓国式うどん。海鮮ダシのきいた一杯を一人でじっくり。

コンナムルクッパ콩나물국밥
豆もやしのスープごはん。クッパ系は一人前が基本。

スンドゥブチゲ순두부찌개
一人用の土鍋で出てくる、おひとりさま向きの定番。

ナッコプセ낙곱새
タコ・ホルモン・エビの炒め煮。基本は一人前から頼める。

マッグクス막국수
そば粉の冷たい麺。さっぱり系で一人ランチに。

ヘジャンク해장국
「酔い覚ましスープ」。朝や飲んだ翌日に一人でほっと一杯。

サムゲタン삼계탕
鶏一羽まるごとの参鶏湯。もともと一人一鍋スタイルでおひとりさま向き。

カルビタン갈비탕
牛カルビをじっくり煮込んだ澄んだスープ。一人でも頼める滋味深い一杯。

アワビ粥전복죽
やさしい味の釜山の朝食定番。朝ひとりでも入りやすい。

韓国トースト토스트
卵たっぷりの軽食。朝ごはんやサクッと済ませたいときに。
……と、ここに挙げたのはほんの一例。このほかにも、ワカメスープ・キムパプ・マンドゥ・ビビンパなど、スープもの・ごはんもの・軽食の多くは一人で問題なく楽しめます。実際、これらのお店はランチタイムに一人客がどんどん入っていきますし、観光客だけでなく釜山の地元の人もごく普通に一人でクッパやミルミョンをすすっています。一人で食堂に入ることは、釜山ではまったく特別なことではないんです。
当ブログでは、一人でも気軽に入れる釜山グルメに「1人OK」のタグを付けてまとめています。お店選びの参考にどうぞ。
どうしても焼肉が食べたい!一人で”2人推奨メニュー”を攻略するコツ
ここまで読んで「でも、どうしても一人でサムギョプサルが食べたい!」という方もいますよね。わかります。実はそんなときの裏技もあるんです。
まず大前提として、クッパやミルミョンなどの”一人OKメニュー”は、混んでいる時間に行っても全く問題ありません。いつ行っても一人で堂々と入れます。時間を気にする必要はナシ。
問題は、焼肉などの”2人以上推奨メニュー”のほう。これを一人で攻略したいときに効くのが「空いている時間を狙う」作戦です。
そのとき大事なのが、2人前など、お店の最低注文数以上をきちんと頼むつもりで行くこと。「一人だけど2人前頼みます」と伝えれば、お店も気持ちよく迎えてくれます。一人で2人前のサムギョプサル、案外ペロリといけちゃいますよ(笑)。空いている時間なら行列も避けられて、まさに一石二鳥です。
それでも不安な人へ:おひとりさま向けの注文のコツ
- まずはメニューで選ぶ……「ホンパプ(혼밥=ひとりご飯)OKの店」をわざわざ探す必要はありません。クッパや麺類など”一人OKメニュー”の専門店を選べば、それだけで解決します。お店探しより料理選びが先決です。
- 「ひとり?」と聞かれたら笑顔で「ネ(네=はい)」……それだけで席に案内してくれます。難しい韓国語は要りません。
- メニューは指さしでOK……写真付きメニューのお店も多く、料理名を指させば通じます。
- 最初の一軒はクッパ・麺類の専門店を……”一人前が当たり前”のジャンルなら、緊張せずひとりご飯デビューできます。
まとめ:釜山のひとりご飯は、怖くない
「釜山のひとりご飯は難しい」は、焼肉や刺身などシェア前提の料理に限った話。テジクッパやミルミョンといった釜山名物は、むしろ一人で食べてこそ。一人OKメニューを選べばいつでも気兼ねなく、どうしても焼肉が食べたいときは空いている時間を狙えば、おひとりさまでも釜山グルメを存分に満喫できます。
「一人だから」とあきらめていたあなたも、釜山なら大丈夫。私自身、5年間の駐在中も、帰任後の旅行でも、ずっとひとりでお店に入ってきました。最初は少しドキドキしましたが、慣れてしまえば、好きなお店で好きなものを好きなだけ食べられる、最高に気ままな時間です。アツアツのテジクッパを一杯すするだけで、きっと「釜山に来てよかった!」と思えるはずです。次の旅は、自分のペースで気ままに、釜山のひとりご飯を楽しんでみてください。

