「日本から釜山(부산・プサン)へ、船で行けるの?」——答えはイエスです。2026年現在、博多・下関・大阪の3つの港から釜山行きの定期フェリーが毎週運航中。飛行機と違って荷物をたっぷり持ち込めて、夜行便なら宿代も浮きます。一方で「博多から高速船で3時間」の時代は終わっていて、ネット上には古い情報も残っています。
この記事では、日本→釜山の全航路のダイヤ・料金・予約方法を、釜山港湾公社と各運航会社の公式情報で確認してまとめました(2026年7月確認)。話題になった「クイーンビートルのその後」と、釜山港に着いてからの市内アクセスまで、この1本で完結します。
今、日本から釜山へフェリーで行ける?【結論と早見表】
結論から。定期旅客航路は「博多」「下関」「大阪」の3本+対馬発の短距離航路です(釜山港湾公社・国際旅客ターミナル運航情報で確認)。かつて博多〜釜山を約3時間40分で結んだ高速船(ビートル/クイーンビートル)は運航を終了しており、2026年7月時点で日本〜釜山を直行する高速船はありません。
| 航路 | 所要時間 | 頻度 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 博多⇔釜山(ニューカメリア) | 行き約6時間(昼行)/帰り夜行 | ほぼ毎日 | 最短・王道。福岡から日帰り圏の感覚 |
| 下関⇔釜山(関釜フェリー) | 約11〜12時間(夜行) | 毎日 | 夜出て朝着く。宿代を浮かせたい人 |
| 大阪⇔釜山(パンスターミラクル) | 約18時間 | 週3便 | 関西発。瀬戸内海クルーズ気分も |
| 対馬(比田勝・厳原)⇔釜山 | 約1時間10分〜2時間20分 | 毎日(3社) | 対馬観光と組み合わせる人 |
いずれも到着は釜山港国際旅客ターミナル。ここはKTX釜山駅まで連絡橋で徒歩10分という「市内直結」の港で、空港からのアクセスより移動がシンプルです(詳しくは記事後半で)。
航路別ガイド【博多・下関・大阪+対馬】
①博多⇔釜山:ニューカメリア(カメリアライン)──日本〜釜山の最短航路で、全長170mの大型フェリーがほぼ毎日運航しています。行きは博多発12:30→釜山18:30着の昼行約6時間、帰りは釜山発22:30→翌朝7:30博多着の夜行で、船中泊すれば釜山滞在を夕方まで使い切れるダイヤ設計です。運賃は2等(相部屋)片道12,000円・往復22,800円、個室系は1等15,000円〜。30歳未満は学生証提示で2等9,600円になる学割も。別途、燃油サーチャージや国際観光旅客税などの諸費用(博多発で計5,200円前後・釜山発は約24,000ウォン)がかかる点は見落としがちなので注意です(2026年7月・公式運賃表で確認)。予約は公式サイトのオンライン予約から。

②下関⇔釜山:関釜フェリー──1970年就航の歴史ある夜行航路。毎日1便、夜に出て翌朝着(下関発19:45→釜山翌8:00/釜山発21:00→下関翌7:45)で、寝ている間に海峡を渡れます。運賃は2等片道12,000円・1等16,000円(2025年10月改定・別途諸費用)。日本船「はまゆう」と韓国船「星希(ソンヒ)」が交互に運航しています。山陽・九州方面から青春18きっぷ的な旅程を組む人の定番です。

③大阪⇔釜山:パンスタークルーズ「パンスターミラクル」──関西唯一の韓国直行航路。大阪発は月・水・金の17:00→翌朝10:00釜山着(約18時間)、釜山発は火・木16:00と日曜15:00です。大阪港国際フェリーターミナルへは地下鉄コスモスクエア駅から無料シャトルバスあり。瀬戸内海の島々や明石海峡大橋の下をくぐる航路そのものが見どころで、「フェリーというより1泊クルーズ」という声が多い船です。日本語で予約するならKlookの乗船チケット(★4.3・予約2,000件超)が手軽です。なお例年2〜3月ごろに船舶定期点検による運休期間があるので、冬〜早春は運航日を先に確認してください。
④対馬⇔釜山:短距離高速船──国境の島・対馬の比田勝港からは釜山まで約1時間10分〜1時間40分。スターライン、パンスター対馬リンク、大亜(テア)高速海運の3社が毎日運航しています(厳原発着便は約2時間強)。「日本最後の島から釜山の夜景が見える」距離感で、対馬観光との組み合わせなら面白い選択肢です。
クイーンビートルはどうなった?【2026年の現況】
「博多から高速船で釜山へ3時間ちょっと」——JR九州高速船の「ビートル」「クイーンビートル」を覚えている方も多いはず。結論として、この航路は2025年1月に運航終了が発表され、現在は存在しません。クイーンビートルは浸水を隠して運航を続けていた問題で2024年から運休し、そのまま日韓航路から撤退。船体は2025年4月に釜山の船会社パンスターラインへ売却されました(売却条件は「日韓航路では運航させない」)。
ところがこの船、ただ消えたわけではありません。2026年からは「パンスターグレイス」と名前を変えて、釜山港の夜景クルーズ船として復活しています。内装はほぼクイーンビートル時代のまま。影島(ヨンド)発着で、影島大橋やマリンシティのライトアップを海から眺めるナイトクルーズ・花火クルーズとして運航中です。「あの船に乗り損ねた」という人は、釜山旅行でリベンジできます。
ちなみに検索上位には今も「高速船で3時間」と書かれた古い記事が残っています。2026年時点の最短はニューカメリアの昼行便・約6時間。「速さ最優先」なら飛行機(福岡から約55分)、「旅の一部として船を楽しむ」ならフェリー、という住み分けになっています。
フェリーの入国手続き【紙の入国カード+e-Arrival】
フェリー入国ならではの注意点がひとつ。空港では電子入国申告(e-Arrival Card)への移行が進んでいますが、船での入国は当面「紙の入国カード」と電子申告の併用が続いています(パンスタークルーズ公式・2026年1月告知)。紙のカードは船内やターミナルで配布されるので、ボールペンを1本持っておくとスムーズです。事前にスマホで済ませたい方は電子入国申告(e-Arrival Card)の書き方ガイドをどうぞ。
そのほかの入国まわりは飛行機と同じです。日本国籍なら90日以内の観光はビザ不要、K-ETAも2026年末まで免除中(K-ETAは今必要?最新状況まとめ)。持ち込み品や税関申告を含めた全体の流れは韓国入国の総合ガイドにまとめています。あと地味に大事なのが、釜山発の便は港湾諸費用をウォン現金で払う場面があること(カメリアラインで約24,000ウォン)。帰りの分のウォンを残しておきましょう。
釜山港に着いたら【市内アクセスとFAQ】
釜山港国際旅客ターミナルの最大の強みは立地です。連絡橋(動く歩道つき)を歩けば約10分でKTX釜山駅。釜山駅からは地下鉄1号線で南浦洞(ナンポドン)や西面(ソミョン)へ直行できます。連絡橋の入口や歩き方は釜山港→釜山駅 連絡橋ガイドで写真つきで解説しています。到着後すぐ使う通信・地図・決済の準備はeSIMガイドと必須アプリ10選を出発前にどうぞ。
- 「高速船で3時間」の情報は過去のもの。現在の最短はニューカメリア昼行の約6時間
- 運賃とは別に燃油サーチャージ・税・港湾費用がかかる(釜山発はウォン現金の用意を)
- パンスターミラクルは例年2〜3月ごろに定期点検休航あり。冬の計画は運航日を先に確認
Q. いちばん安く釜山へ渡る方法は?
ニューカメリアの2等(片道12,000円+諸費用約5,200円)が基準です。30歳未満なら学割で2等9,600円。往復割引(22,800円)もあります。
Q. 船中泊で宿代は本当に浮きますか?
関釜フェリー(毎晩)とカメリアの釜山発便(22:30発)は夜行なので、1泊分の宿代と移動を兼ねられます。2等は相部屋の雑魚寝スタイルなので、気になる方は1等以上の個室を。
Q. 予約はどこでするのがいい?
博多・下関発は各運航会社の公式サイト予約が基本です。大阪発のパンスターはKlookで日本語予約ができます。繁忙期(連休・夏休み)は満室が出るので早めに。
Q. 荷物はどのくらい持ち込めますか?
飛行機より緩やかで、カメリアラインは1個50kg以下・合計300kg以下まで持ち込み可能(20kgを超える預け手荷物は800円〜)。買い付けや長期滞在の大荷物と相性抜群です。
Q. 入国書類は飛行機と違いますか?
フェリーでは紙の入国カードがまだ現役です(e-Arrivalとの併用期間中)。船内で配られるので、記入例をe-Arrivalガイドで予習しておくと迷いません。
飛行機なら1時間の海峡を、あえて6時間、あるいはひと晩かけて渡る——フェリーの釜山行きは「移動」というより旅の1章です。釜山に着いたあとのプランは2泊3日モデルコースと慶州日帰りガイドもどうぞ。
- 定期航路は博多・下関・大阪の3本+対馬。高速船の直行便は現在ない
- 最安はカメリア2等12,000円+諸費用。夜行の関釜・カメリア釜山発は宿代も兼ねる
- 釜山港からは連絡橋で釜山駅まで徒歩10分。着いてからの移動が一番ラクな入国口
