「釜山でナッコプセといえばケミチプ」。それは間違いではないのですが、釜山にはケミチプ以外にも通いたくなるナッコプセの店があります。タコ(ナクチ)、ホルモン(コプチャン)、エビ(セウ)を唐辛子のヤンニョムで煮る釜山生まれの鍋で、どんぶりご飯にのせて食べるのが釜山流です。
この記事では、釜山在住時代から食べ歩いてきたナッコプセの店のなかから、いま釜山の旅行者のみなさんにすすめたい4店に絞りました。元祖の店、定番の店、孤独のグルメのロケ地、そして管理人のイチ推し。どこも西面から地下鉄1本で行けます。辛さの伝え方、1人前の値段、駅からの行き方まで、この1本で決められるようにまとめました。
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ナッコプセとは?釜山生まれの、タコ・ホルモン・エビの旨辛鍋
ナッコプセ(낙곱새)は、ナクチ(낙지=タコ)、コプチャン(곱창=ホルモン)、セウ(새우=エビ)の頭文字をつなげた名前です。ソウルのナクチポックムが炒め物なのに対して、釜山のナクチポックムは出汁を足して煮る鍋の形で、辛さは釜山のほうが穏やか。春雨や野菜と一緒に煮て、煮えたらどんぶりご飯にのせ、海苔をかけて食べます。タコだけならナクチ、タコとエビならナクセ、タコとホルモンならナッコプと、具の組み合わせで名前が変わります。


始まりは1960年代。凡一駅(범일역)近くにあった朝鮮紡織(조선방직)という工場の前で、工員たちに出したタコ炒めが評判になったのが最初と言われています。工場の略称から、釜山ではこの料理を「チョバンナクチ(조방낙지)」とも呼びます。その最初の店が、この記事の2店目に出てくる元祖ハルメナッチです。
4店の早見表。どの店から行く?
迷ったら、初めての釜山なら西面のケミチプ、2回目からは残りの3店から1つを目的地にして、西面から地下鉄で足を伸ばす、この選び方で外れません。値段はどこも1人前11,000ウォン前後で、違いは汁の味と副菜、そして店の空気です。
① ケミチプ 西面店(개미집 서면점)(釜山鎮区・西面)

釜山のナッコプセを全国区にした店で、西面店のほかに南浦の本店と海雲台店があります。土曜の夕方に行くとほぼ満席で、日本人のグループもよく見かけます。1人前から注文できて、ご飯は別に1,000ウォン。辛さは普通なので、辛いのが苦手なら注文のときに「トル メプケ ヘジュセヨ(あまり辛くしないでください)」と一言添えます。〆は春雨、うどん、ラーメン、餅の4種類から選べて、管理人のおすすめはうどんです。海雲台店は2人前からの注文なので、ひとりなら西面か南浦へ。京都、大阪、新大久保にも店ができましたが、本場の熱気はやっぱり西面です。

② 元祖ハルメナッチ(원조할매낙지)(釜山鎮区・凡一駅)

釜山ナッコプセの元祖です。1963年に朝鮮紡織の前で始まった家庭料理の食堂が、常連の工員に勧められてタコ炒めを出したのが最初で、1968年から専門店になり、いまは3代目。コチュジャンを使わず唐辛子粉だけで味を付けるので、汁がすっきりしてタコの味が残ります。メニューはタコの組み合わせが違う4つだけで、どれもご飯付き11,000ウォン。辛さはそのままだと控えめで、辛くしたい人は注文のとき先に伝える方式です。西面駅から1駅、貴金属店が並ぶ通りの中にあって、Kakaoマップでも★4.3。管理人は釜山在住時代の韓国語の先生に連れて行ってもらい、ナッコプセ2人前をきれいに平らげました。

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③ オリュクド ナクチポックム(오륙도낙지볶음)(南区・大淵駅)

「孤独のグルメ」2019年大晦日スペシャルで、五郎さんがナッコプセを食べた店です。観光の中心からは少し外れた大淵駅の近くで、店員さんは日本語も英語もほぼ通じませんが、身ぶり手ぶりで気持ちよく通じます。ナッコプセは1人前10,000ウォンで、ご飯は別に1,000ウォン。店内の一角に自分で目玉焼きを焼くコンロがあって(1人1個)、半熟の黄身をのせると辛さがまろやかになります。社長のおすすめは、もやしとニラとキムチをのせて海苔を振る食べ方。〆はうどんか、ご飯を追加して作るポックムパプ(焼き飯)です。行政安全部の「良心価格店」にも選ばれています。2025年の劇場版のロケ地は巨済(거제)の別の店なので、混同にご注意を。

④ オリュクド ナクチ 沙上店(오륙도낙지)(沙上区・沙上駅)

大淵の店とは別の系列で、凡一(범일)に本店がある店の沙上店。看板には「SINCE 1999」とあります。管理人のイチ推しはここです。ナッコプセ1人前11,000ウォンにご飯1,000ウォン。副菜のパジョン(ネギチヂミ)とケランチム(韓国式茶わん蒸し)がとてもおいしくて、おかわりも自由です。「キムカル ジュセヨ」と頼むと、海苔をどんと持ってきてくれます。沙上駅1番出口から徒歩2分で、金海空港へ向かう軽電鉄と西部バスターミナルのすぐそば。空港へ行く前の最後の一食にもちょうどいい場所で、Kakaoマップでも★4.4です。

ナッコプセの注文と食べ方。辛さの伝え方から〆まで
- 辛さは注文のときに伝えます。「トル メプケ ヘジュセヨ(덜 맵게 해 주세요)」があまり辛くしないで、「アン メプケ ヘジュセヨ(안 맵게 해 주세요)」が辛くしないで。「トル」「アン」を抜かすと逆に辛くしてくださいという意味になるので、はっきり言います。
- ご飯は別に注文する店が多く、元祖ハルメナッチだけご飯込みです。煮えたナッコプセをどんぶりご飯にのせ、海苔をかけて食べるのが釜山流。
- 店員さんが混ぜに来てくれる店がほとんど。煮詰めるほど辛くなるので、食べ頃になったら火を弱めます。
- 〆は麺(うどん、ラーメン、春雨)か、ご飯を追加して作るポックムパプ(焼き飯)。少し残しておいて「ポックムパプ ジュセヨ(볶음밥 주세요)」。
- 赤い汁が跳ねるので、白い服は避けるか、店のエプロンを借ります。
釜山のナッコプセ、よくある質問
釜山でいちばん有名なナッコプセの店は?
知名度ならケミチプです。西面、南浦、海雲台に店があり、日本人にもいちばん知られています。
老舗、元祖はどこ?
凡一駅近くの元祖ハルメナッチです。1963年に食堂として始まり、釜山式ナクチポックム「チョバンナクチ」の発祥とされています。
ケミチプ以外で行くなら?
元祖の味なら元祖ハルメナッチ、テレビで見た店ならオリュクド ナクチポックム、副菜まで楽しむなら沙上のオリュクド ナクチです。
ナッコプセは辛くない?
どの店も普通の辛さで、韓国の激辛料理ではありません。心配なら注文のときに「トル メプケ ヘジュセヨ」。元祖ハルメナッチはもともと辛さ控えめです。
1人でも食べられる?
4店とも1人前のメニューがあります。ケミチプの海雲台店だけは2人前からの注文です。
西面や南浦で食べるなら?
西面はケミチプ西面店、南浦はケミチプ本店。西面から1駅の凡一駅には元祖ハルメナッチがあります。
日本でも食べられる?
新大久保にケミチプの日本店があります(2026年5月オープン)。京都と大阪にも店があります。
まとめ|元祖・定番・ロケ地・イチ推し、どれから行く?
定番はやはりケミチプで、初めての釜山ならまずここで間違いありません。そのうえで、元祖の味なら元祖ハルメナッチ、管理人のイチ推しは沙上のオリュクド ナクチです。同じナッコプセでも店ごとに汁の味も副菜も違うので、2回目の釜山ではケミチプ以外の1店を目的地にしてみてください。
ナッコプセの次は、釜山の名物をひと通り。料理のジャンルから探すならグルメランキング、日本で食べるなら新大久保のケミチプもどうぞ。観光チケットの割引クーポンもあわせて。


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