慶州(경주・キョンジュ)は、釜山からバスで約1時間の場所にある新羅(しらぎ)王朝の古都です。街のあちこちに世界遺産の遺跡が点在していて、「屋根のない博物館」とも呼ばれています。私も釜山在住時代に日帰りで行ってきました。実際に回ってみて痛感したのが、現地の路線バスは本数が少ないという現実。行き方と回り方を釜山を出る前に決めておくかどうかで、1日の充実度が大きく変わる街です。
この記事では、釜山から慶州への行き方4パターンと、私が実際に回った日帰りモデルコース、そして「自力とツアーどちらで回るべきか」の判断材料をまとめました。交通・料金などの情報は2026年7月に最新の内容を確認しています。
まずは1日の全体像から。私が実際に回ったタイムラインはこちらです。
| 時刻 | 場所・行動 |
|---|---|
| 9:20 | 西部バスターミナル(沙上)から市外バスで出発 |
| 10:30ごろ | 慶州市外バスターミナル着・帰りの便を確認 |
| 11:20 | 瞻星台(チョムソンデ)へ・徒歩で市内観光スタート |
| 11:35 | 大陵苑(テヌンウォン)の古墳群・韓屋の街並み散策 |
| 12:20 | 仏国寺(プルグクサ)エリアへ移動・スンドゥブで昼食 |
| 13:30 | 仏国寺 拝観(世界遺産①) |
| 14:40 | 12番バスで石窟庵(ソックラム)へ(世界遺産②) |
| 15:30ごろ | 石窟庵からタクシーでターミナルへ |
| 16:15 | イサンボク慶州パンでひと休み |
| 17時ごろ | 市外バスで慶州発→18時すぎ釜山着 |
慶州はどんな街?釜山からの距離感

慶州は約1000年続いた新羅王朝の都だった街で、市街地そのものが「慶州歴史遺跡地区」としてユネスコ世界遺産に登録されています。芝生の丘のような巨大古墳が住宅街のすぐ隣に並ぶ光景は、韓国の他の都市では見られません。
釜山からの距離は約85km。市外バスで約1時間、KTX(韓国高速鉄道)なら約30分で着きます。ソウルからだとKTXでも2時間以上かかるので、慶州は「釜山とセットで行く」のが一番効率のいい街です。
うれしい変化もあります。以前は仏国寺(불국사・プルグクサ)も大陵苑(대릉원・テヌンウォン)も入場料が必要でしたが、仏国寺・石窟庵(석굴암・ソックラム)は2023年5月から拝観料が無料に、大陵苑も入場無料になりました(2026年7月・慶州市公式の入場料案内で確認)。主要どころで今もお金がかかるのは、夜景で有名な東宮と月池(동궁과 월지・トングンとウォルチ・大人3,000ウォン)と天馬塚(チョンマチョン)の内部観覧(3,000ウォン)くらい。入場料をほぼ気にせず回れる街になっています。
釜山から慶州への行き方【バス4路線+KTX】
釜山から慶州へは、市外バスが4つの出発地から出ています。宿泊エリアに合わせて選べるのが釜山発のいいところです。私は西部バスターミナル(沙上・ササン・사상)から朝9時20分発の市外バスに乗りました。所要約1時間、うとうとしている間に慶州です。


| 出発地 | 本数の目安 | 所要時間 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 釜山総合バスターミナル(老圃洞・ノポドン・노포동) | 1日約50本 | 約1時間 | 本数最多の主力ルート。地下鉄1号線・老圃駅直結 |
| 西部バスターミナル(沙上・ササン・사상) | 1日約20本 | 約1時間 | 沙上・西面方面泊。優等バス9,500ウォン(2026年7月確認) |
| 海雲台(ヘウンデ・해운대) | 1日約15本 | 約1時間強 | 海雲台泊なら乗り換えなしで直行 |
| 金海(キメ)国際空港(김해공항) | 1日約15本 | 約1時間 | 空港から釜山市内を経由せず慶州へ直行 |
| KTX(釜山駅→慶州駅) | 1日約21本 | 約27〜35分 | とにかく速く。ただし駅から市街まで約8km |
市外バスは、いずれも慶州市外バスターミナル(경주시외버스터미널)に到着します。ここが慶州観光の起点で、主要スポット行きの市内バス乗り場も目の前。チケットは当日窓口でも買えますが、韓国の市外バス予約サイト「バスタゴ(bustago)」やKOBUSで事前予約もできます。運賃の目安は西部発の優等バスで9,500ウォン(2026年7月・ターミナル公式サイト確認)。老圃洞発もおおむね同水準です。
KTXは釜山駅から約30分と最速ですが、注意点がひとつ。慶州駅(旧・新慶州駅)は市街地から約8km西に離れていて、瞻星台(チョムソンデ)や仏国寺のあるエリアへはさらにバスかタクシーでの移動になります。販売価格は片道1,200〜1,400円程度(2026年7月時点・Klook、Trip.comの日本語販売ページで確認)。「駅から先」の移動を許容できるなら選択肢です。
ちなみに、昔の慶州旅行記によく出てくる「釜田駅発のローカル線で慶州駅へ」というルートは、2021年12月の路線移設で今は存在しません。検索で古い記事を見かけたら、日付を確認してみてください。
実際に回った慶州日帰りモデルコース
ここからは、冒頭のタイムラインを写真つきで紹介します。9時20分に釜山を出て、現地滞在は約6時間半でした。

11:20 瞻星台(첨성대・チョムソンデ)──まずはターミナルから市街中心の瞻星台へ。7世紀・善徳(ソンドク)女王の時代に築かれたといわれる石造りの天文台で、慶州のシンボルです。周りは広い芝生の公園になっていて、入場は無料。私が行った平日の昼前は人も少なく、写真をゆっくり撮れました。
11:35 大陵苑(대릉원・テヌンウォン)──瞻星台から歩いてすぐ、23基の古墳が集まる大陵苑へ。かつては入場料が必要でしたが、現在は無料開放されています(天馬塚の内部観覧のみ大人3,000ウォン)。丘のような古墳の間を縫って歩く散歩道は、慶州らしさを一番感じられる場所でした。
※瞻星台と大陵苑は徒歩数分の隣接エリアなので、地図は1枚にまとめています。


11:40〜12:30 韓屋の街歩きとランチ──大陵苑の周辺は、商店街もカフェも瓦屋根の韓屋で統一されていて、歩くだけで楽しいエリアです。大陵苑西側の通りは今や「皇理団ギル(황리단길・ファンリダンギル)」と呼ばれるフォトスポット密集地帯。私はこのあと仏国寺エリアへ移動し、道沿いの食堂でスンドゥブ(純豆腐チゲ)の昼食にしました。慶州郊外は豆腐料理の店が多く、体が温まります。


13:30 仏国寺(불국사・プルグクサ)──慶州観光のハイライト。8世紀に建立された新羅仏教芸術の最高傑作で、石窟庵とともに慶州で最初に世界遺産登録されたお寺です。国宝の石段や石塔が点在する境内は広く、ゆっくり見ると1時間はかかります。拝観は9:00〜18:00・年中無休で、2023年5月から拝観料は無料になりました。

ターミナル方面から仏国寺へは市内バスの10番・11番が20〜30分間隔で走っていて、慶州市の公式観光案内でも「ターミナル→10番・11番→仏国寺」が推奨ルートになっています。10番は瞻星台や東宮と月池を経由するので、市内観光と組み合わせやすい路線です。


14:55 石窟庵(석굴암・ソックラム)──仏国寺から山道を上った先にある人工石窟の寺院で、こちらも世界遺産。花崗岩を組み上げたドーム状の石窟に鎮座する本尊は「東洋彫刻史の傑作」と評されます。内部は撮影禁止&ガラス越しの拝観ですが、実物の存在感は写真では伝わらないレベルでした。拝観無料・年中無休(夏期9:00〜18:00、10月は〜17:30、冬期は〜17:00)です。


ここで日帰り旅行者に最大の関門があります。仏国寺と石窟庵を結ぶ12番バスは、平日だと1時間に1本(毎時40分発・週末は30分間隔)しかありません。私も行きは仏国寺14:40発の12番バスで上がりましたが、バスの時刻に行動を縛られて常に時計とにらめっこ。「次の1本を逃すと帰りのバスに響く」というプレッシャーで、結局帰りは石窟庵からターミナルまでタクシーで直行して時間を稼ぎました。時間が押してきたときのタクシー併用は現実的な選択肢です。


16:15 ターミナルに戻って慶州パン──帰りのバスまでの時間で、名物・慶州パン(경주빵)を購入。こしあんを薄皮で包んだ焼き菓子で、箱入りはお土産の定番です。私が寄ったのはターミナルそばのイサンボク慶州パン(이상복경주빵)ターミナル店。慶州パンは10個入り12,000ウォン〜で、もち麦のチャルボリパン(찰보리빵)も看板商品なので食べ比べも楽しいですよ(2026年7月時点)。慶州パンをかじりながらバスを待って、夕方の便で釜山へ戻りました。
なお、夜景の名所・東宮と月池(旧名:雁鴨池・アナプチ)は22時まで開いています(入場は21:30まで・大人3,000ウォン)。日帰りでも帰りを最終バスにすれば見られますが、時間の余裕はかなりシビアになるので、夜景重視なら後述のツアーか1泊が現実的です。
自力とツアーどっちがいい?【時間重視ならツアー】
実際に自力で回った私の結論から言うと、「安さと自由度の自力」対「時間効率と楽さのツアー」です。
自力の場合、費用はバス往復と市内バス代を合わせても2万ウォンかからず、入場料もほぼ無料。好きな場所に好きなだけ居られるのが最大の魅力です。ただし前述の通り、仏国寺〜石窟庵の12番バスが平日1時間に1本で、ここに行程全体が縛られます。1本逃すと夕方の予定が丸ごとずれるので、「バスの時刻から逆算して観光を切り上げる」動きが必須でした。
ツアーの場合、釜山市内のホテルや駅前から専用車で回るので、この「待ち時間問題」が消えます。Klookの慶州 韓国古都日帰りツアー(釜山発)は日本語ガイドを選べて、仏国寺・石窟庵・瞻星台エリアに加えて東宮と月池の夜景まで1日で回る行程。評価4.9(レビュー4,000件・予約2万件超)で、料金は1人5,000円台から。24時間前までキャンセル無料なので、天気を見て直前に決められるのも気楽です。
- 自力向き:バス移動自体を楽しめる/行きたい場所が2〜3カ所に絞れている/費用最優先
- ツアー向き:仏国寺も石窟庵も夜景も1日で全部見たい/時刻表から逆算する旅が苦手/韓国語のバス案内に不安がある
帰りのバスの注意点とよくある質問
慶州ローカルの情報アカウントが市外バスターミナルの時刻表を定期的にまとめてくれています(上の投稿には釜山東部行き・釜山西部行き・海雲台行き・金海空港行きの時刻表も)。ただし時刻表は変わるので、慶州に着いたらまず帰りの便の時間を窓口かアプリで確認しておくのが日帰り成功の鉄則です。

- 仏国寺⇔石窟庵の12番バスは平日1時間に1本(毎時40分発)。ここを軸に1日を逆算する
- 慶州到着後、最初に帰りのバスの時刻を確認(夕方の便は満席になることも)
- KTX利用なら慶州駅から市街まで約8km・バスで20〜30分かかる前提で計画を
Q. 日帰りで何時間あれば楽しめますか?
現地滞在5〜6時間が最低ライン。私は朝9時20分発のバスで現地滞在約6時間半でしたが、世界遺産2カ所+市内観光でかなり駆け足でした。朝8時台のバスならさらに余裕が生まれます。
Q. バスとKTX、結局どちらがいいですか?
市街地に直接着くバスが基本おすすめです。KTXは乗車30分でも駅から市街への移動が加わるため、トータルの所要はバスと大差なくなります。老圃洞発なら1日約50本と本数も豊富です。
Q. 現地は歩いて回れますか?
瞻星台・大陵苑・皇理団ギルなど市内エリアは徒歩で回れます。仏国寺・石窟庵は郊外の山側なので、バス(10番・11番→12番乗り換え)かタクシー、またはツアー利用になります。
Q. 冬に行っても楽しめますか?
私は12月に行きましたが、空気が澄んで古墳や石造建築がきれいに見える良い季節でした。ただし石窟庵は山の上で冷え込むので、防寒はしっかりと。桜の名所でもあるので、春は特に混みます。
Q. 韓国語ができなくても大丈夫?
市外バスの券売機や予約アプリは操作がシンプルなので、地図アプリと翻訳アプリがあれば自力でも十分可能です。不安な場合は日本語ガイド付きツアーという保険があります。準備は韓国旅行の必須アプリ10選とeSIMガイドもどうぞ。
釜山から1時間で、1000年の古都と世界遺産をまとめて歩ける慶州。釜山旅行に1日プラスする価値は十分です。釜山2泊3日モデルコースに組み込むなら、中日(2日目)を慶州に充てるのがおすすめです。釜山市内の1日ツアーと組み合わせたい方は釜山3大名所1日ツアーの記事もどうぞ。
- 釜山→慶州はバスが基本。老圃洞発が1日約50本で最強、海雲台・空港発の直行もある
- 仏国寺・石窟庵・大陵苑は今は無料。有料は東宮と月池(3,000ウォン)くらい
- 自力なら12番バス(平日毎時1本)から逆算。全部見たい&夜景も欲しいならツアーが速い
